モンゴルから小学校教員が来日、秋田県の小・中学校で授業観察 2014年1月30日〜2月1日

東京工業大学とJICAが共同で実施している草の根技術協力プロジェクト「モンゴルにおける地方小学校教員の質の向上 ―地域性に即したICTを活用した教材開発を通じて」の一環として、2013年に実施された教材コンテストにおいて優秀なICT活用教材を発表した各地域(ウランバートル市、ホブド県、バヤンホンゴル県、ブルガン県、ヘンティ県)の代表者10名と、現地プロジェクトコーディネーターである、オルギルマ・ルブサンダッシュ氏の総勢11名が日本を訪れました。11日間の滞在期間中、研修前半には東京にて小学校2校と中学校1校にて授業見学を行い、1月30日から2月1日にかけては、秋田県雄勝郡羽後町立羽後中学校、湯沢市立駒形小学校、湯沢市立稲川中学校を訪問しました。

昭和30年代は、全国学力テストで低迷続きだった秋田県は、56億円をかけた「少人数学習推進事業」や「学習状況調査」、「算数数学学力向上事業」、教育指導に卓越した能力を持つ先生を「教育専門監」と認定するなど、たゆまぬ努力を続けてきました。その結果、近年は全国学力・学習状況調査において常に高水準を維持しています[1]。山口研究室の研究員も事前に秋田県を訪問、調査し、その質の高さを報告しています。この度の学校見学では、プロジェクトと関係の深いICTの活用のみならず、授業そのもの、つまり授業方法や教材の使用方法、教員の指導方法、そして、学校運営など実に幅広い内容について学ぶことを目的としました。

秋田学校見学1日目は、羽後中学校を訪問し、いくつかの授業を見学しました。国語の授業では、ヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」を題材とし、登場人物の心情をより深く理解するために、「共感するところ」と「疑問に思うところ」を生徒が本文から自由に抜き出し、グループ内で発表、カテゴリー分けを行っていました。これはKJ法という社会学の分野で特に有名なデータ分析法です。モンゴルの先生方は特にこの授業を熱心に見学し、そのノウハウ、授業の進め方などを記録しました。秋田学校見学の最終日に行われた、学校見学の振り返りセッションにおいても、この授業とKJ法が大きなトピックとなりました。

2日目は、湯沢市立駒形小学校と湯沢市立稲川中学校を訪問しました。2つのグループに分かれ、様々な授業を見学しました。国語や算数、音楽など、様々な教材を工夫して使用している姿に驚くと共に、授業の目的から一つひとつの指導とその目的、意味まで様々なことを先生に疑問としてぶつけていました。また、モンゴルの先生方は、伝統衣装のデールをまとい生徒との交流も行いました。

稲川中学校では、給食を校長先生や教員の方々と一緒に頂いた後、授業見学が始まりました。数学、科学、国語、音楽などの授業を観察しました。どの授業も、多くの時間を掛けて準備されていることが伺われ、先生の熱意を感じることができました。また、日本と比べるとまだまだ学習教材が少ない環境で教鞭をとっている先生方は、日本の先生の手作りの教材にも多くの刺激を得たようでした。

秋田県の小学校2校、中学校1校での、授業見学、そして学校長、副校長、教員、教育関係者へのディスカッションを通じ、モンゴルの先生方は多くのノウハウや新たな知見を学ぶことができました。11日間の研修終了後、先生方はモンゴルへと戻り、この経験をもとに新たな教材の開発・改善を行っています。

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