UNESCO-東工大GSIC共同シンポジウム開催「モンゴル中等教育の質の向上をめざした情報技術の導入」

2018年1月25日モンゴル教育文化科学省にて、モンゴル政府,ユネスコバンコク事務所,東京工業大学学術国際情報センター共催の地域シンポジウム“ICT in Education to promote quality of education in Mongolia”が開催された。シンポジウムには、ユネスコバンコク事務所の教育と情報技術の専門家、モンゴル教育大学教授を含め現地の教育専門家、全国21県とウランバートル市教育文化局代表者ら73名が参加した。モンゴル教育省上級アドバイザーGanbat氏は開会の挨拶で、教員は教育の根幹であり、教員研修の継続的な実施は教育の質の向上には必要不可欠である点を強調した。

また、モンゴルではICTを活用した教員研修や教育活動が国内外の専門家との協働のもと急激に拡大しており、モンゴル全土における活発な取り組みに発展している事は画期的であると述べている。また、様々なICTを教育現場に積極的に導入することが、教員のリーダーシップとチームワークの向上につながっている点にも言及している。教育活動におけるICTの活用を通じて今後、更に国内外の教育専門家、教員、政府と高等教育機関の協力が進むことを期待すると伝えた。

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Park氏は、ICTと教員の育成を持続可能な発展(Sustainable Development Goals,以下SDGs)の枠組と関連付けている。常に変化する社会において人々がICTを活用することで個々のスキル開発に取り組みことの重要性を述べている。特に、効果的なICTの活用は教育の質の向上を目指す持続可能な開発目標4に深く関わっており、具体的には、個々のスキル開発、ジェンダー間の平等、モバイルラーニングなど多様な手法開発、ICTインフラへのアクセスの促進などを通じて質の高い人材育成に繋がると説いている。アジア太平洋の国々の中でもモンゴルは様々なモバイルテクノロジーを教育活動に導入できる条件は揃っていると分析している。

モンゴル教育大学の Tsedevsuren教授は教員育成におけるICT導入について政策面から分析し、最新のデジタルスクールの事例、電子教科書及び教育データ管理システム(EMIS)について紹介した。教員のためのオンラインプラットフォームは、今後モンゴル政府が積極的に進めていく政策の中でも優先順位が高いとされる。デジタル化が進む現代ではICTスキルは識字教育の一環として重要視されており、分析能力や計算能力にも欠かせないスキルであると説いている。教育現場においてはリソースの更なる効果的な活用が強調された。本シンポジウムでは教育政策担当者の間での活発な議論が行われ、今後のモンゴルの教育の更なる発展に向けた重要なマイルストーンとなった。

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教員研修プログラムの成果を報告する東工大山口教授

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ICTの教育利用に関する発表をするUNESCO専門家 Park氏

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教員研修プログラムの成果を報告するモンゴル金融経済大学Sukhbaatar教授

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2017年MEXTプロジェクトに関する発表をするプロジェクトコーディネーターOrgilmaa氏

2018年2月5日

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