Mai (M2) がタイのユネスコ・バンコク事務所にてインターンシップを実施

Mai (M2) が2019年3月1日から7月15日まで、タイのユネスコ・バンコク事務所にてインターンシップに参加しました。ユネスコ・バンコク事務所は、教育分野におけるクラスターオフィスとして周辺国を支援する役割と、アジア太平洋地域全体を管轄する事務局としての役割を担っています。Maiは教育技術および人材開発部(ESID: Educational Innovation and Skills Development)において、ブレンド型教育のためのオンライン評価ツールの開発、ハッカソンイベントの開催、無形文化財(ICH:Intangible Cultural Heritage)の保存、教員研修の質の向上に係る業務に携わりました。

A person standing in front of a building

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ユネスコ・バンコクオフィスにて

Maiは高等教育担当チームと共に、アジア太平洋地域の高等教育におけるブレンド型教育のための自己評価ツール“Blended Learning Self-Assessment Tool for Quality Higher Education in Asia-Pacific” (Insert link: https://blendedlearning.bangkok.unesco.org/)の試行に携わりました。

2017年に採択された、深圳宣言では、アジア太平洋地域の生活と文化の質の向上のための高等教育を通した地方の人材育成の重要性が強調されています。特に、高等教育機関は市民の生涯学習の機会を提供するために、革新的なプログラムを提供する必要があるとしています。こうした背景を踏まえ、高等教育機関が、ブレンド型教育への認識の向上と現状を把握し、ブレンド型学習を提供するために活用することのできる自己評価ツールが開発されています。Maiは、その自己評価ツールを試行し、使いやすさと安定性を改善するための業務に従事しました。例えば、“Blended Learning for Quality Higher Education: Selected Case Studies on Implementation from Asia-Pacific”にあるコンテンツを基に、説明がポップアップとして、自己評価ツールの画面に現れる機能を開発しました。また利用者が使用上の問題を他の利用者とシェアし、解決法を教え合うことのできる機能を開発しました。

ICT教育チームとは、 “Women e-spire Culture”プロジェクトに参加しました。このプロジェクトはICTを用いた女性の支援と伝統工芸の保存を行なうために実施されました。Maiは5月に行なわれたチェンマイの少数民族とのフォーカスグループディスカッションの準備と実施に携わりました。ディスカッションは、現地コミュニティの女性から生活環境と労働環境に関する話を聞くことを目的に行なわれました。MaiはUNESCOのチームと現地のコーディネーションチームと共に、参加者が考えや経験を表現できるようディスカッションの設計を工夫し、調査が効果的に行なわれるための準備を行ないました。ディスカッションには地方のITセンターと三つの少数民族グループKaren, Akha, Hmongから40人が集りました。18歳から80歳代の市民が参加し、年齢、性別、民族、専門性、が異なる背景の人々が集まり、地域住民の考えを幅広くに聞くことができました。建設的な議論が行なわれたことで、多くの貴重な情報を集めることができ、地方のコミュニティが抱えている可能性と課題について理解を深めることができました。

フォーカスグループディスカッションの参加者と

またICT教育チームとは、他にも、ICTスキルに着目した教員研修の質の向上に関する研究に従事しました。Maiは、オーストラリア、アメリカ、インドなど様々な地域で実施された教員研修の質に関する論文を調査し、さらにUNESCOが中国、韓国、フィリピンなどのアジア太平洋地域で実施した地域調査結果を整理しました。それを基に、国ごとでの教員研修の取り組みと、教員研修の提供に関する政策提言をまとめたガイドラインを作成しました。 インターンシップを通じて、国際機関が取り組んでいる持続可能な開発に向けたデジタル技術を活用した事業に参加したことはMaiにとっての貴重な経験となりました。また、現地の生活環境や労働環境の調査、高等教育におけるICTツールの開発、政策提言に向けたガイドラインの作成にかかわることで多くの知識が得られました。さらに、同じ興味を持つ、異なるバックグラウンドの学生と友達になったことも、とても貴重な事でした。研修の期間を通じて「ほほえみの国タイ」の文化と食を楽しむこともでき、とても充実したインターンシップとなりました。

インターンシップの活動報告
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