研究目的
近年,インターネットや携帯電話に代表されるように,世界中で情報通信が飛躍的に普及している。特 に先進国においては,情報通信は経済・商業・社会活動の主要な要素として,経済成長や文化の発展等, 情報社会がもたらす利益を享受している。個人による携帯電話所有は一般化され,政府・企業等の業務は コンピュータシステムが支え,インターネットで世界中の情報に即座にアクセスすることが可能である. 発展途上地域の開発において情報通信を考えた場合,優先順位の低いものや贅沢品として捉えられるこ とがあるが,80 年代以降,情報通信は発展途上国の開発において,非常に重要な要素のひとつであると 考えられるようになった.1984 年のITU (International Telecommunication Union) の電気通信の世界的 発展のための独立委員会報告書”Missing Link” [1] によると,電気通信はそれ自体で地域が発展する,す なわち生活がゆたかになる類のものではないが,その他の開発の重要な要素である公共・社会インフラヘ の投資を補完し開発を効率的に進める上で重要な役割を果たしているとされる.
そこで山口研究室では、開発途上国の開発の現場での情報通信技術の貢献に着目する。東京工業大学の電気・情報系の研究室との連携のもと、国際開発プロジェ クトへの参加を通して、
- 現地ニーズにあった応用可能な情報技術に関する分析
- 技術面、文化面、人材面を含めたフィージビリティー分析
- 開発途上国における情報通信技術導入の維持可能性分析
を行う。
研究関連プロジェクト
- 発展途上国の世界遺産地域における地理情報システムの構築 -危機遺産化阻止のために
- UNESCO世界文化遺産地域の維持可能な開発における情報技術(ICT) の応用:ラオス国ルアンパバーンのケーススタディー
- モンゴル学校再生及び学校長・教員再教育プロジェクト
- モンゴルにおけるICT教育開発プロジェクトの分 析・評価