モンゴルプロジェクト概要

1990年はじめ、ソ連の解体に伴い、モンゴルは計画経済から市場経済へと移行した。70年に及ぶソ連の統治から独立し、モンゴル国内では民主化が進められた。教育分野では学校運営やカリキュラムの更新などの役割が地方分権化されるなどの改革が進められた。地方分権化によって地方政府や学校が現地のニーズや文化を反映させた教育を行なうことができるようになった一方で、その役割と責任が大きくなった。そのなかで、モンゴル教育文化科学スポーツ省は教育の発展のための重要な戦略として情報技術の活用を推進している。例えば教育基本計画(2006-2015)に従い、すべての学校でインターネット環境の整備が進められた。また情報技術を活用した教員研修も進められた。特に地方では、子どもたちにとって安全、快適で、エネルギー効率の良い小学校の整備に対する投資が積極的に行なわれた。さらに近年では情報技術を活かした生涯学習の実現の方針が教育基本活動計画(2016-2022)に明記された。

2004年以降、山口・高田研究室は現地政府、教育専門家、現地教員との連携を通してモンゴルの教育の発展にむけた活動に関わってきた。特に、教材や設備が十分に整っていない地域で、現地のニーズに対して適正な技術を活用した教員研修を中心に活動を実施してきた。活動の具体的な内容は、災害をうけた学校の復旧と教員教員研修から、世界銀行が主導するファスト・トラック・イニシアティブに基づく情報技術導入状況のモニタリング調査、情報技術を活用した教員研修と教員研修用教材の開発、現地の特性を活かしたICT教材を用いたSTEM教科の強化のための教員研修など多岐に渡る。これまで実施されたプロジェクトを以下にまとめる。

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山口・高田研究室が15年以上にわたりモンゴルの教育に関わってきた功績は現地からも高く評価され、山口教授が2014年にモンゴル政府より北極星勲章を2015年にヒンティ県より名誉県民メダルを受賞、また高田教授が2014年にバヤンホンゴル県知事賞を受賞した。2017年にはモンゴルの全国紙にプロジェクトの様子が掲載され、モンゴルの基礎教育においてICTの導入が進んでいることが大%8

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